PRESS RELEASE
株式会社ソラコム(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長 玉川憲、https://soracom.jp/ 以下、ソラコム)は、IoT 通信プラットフォーム「SORACOM」に、IoT デバイス機器がやり取りするパケットに対して様々な処理を適用できる「SORACOM Junction」を 7月5日より提供開始いたします。
「SORACOM Junction」(以下、Junction)は、SORACOM のコアネットワーク上のパケット交換機能を有する Virtual Private Gateway (以下、VPG)を通るパケットに対して、インスペクション、ミラーリング、リダイレクションの3つの機能を提供するサービスです。これらの機能が可能にするユースケースの例として、トラフィックの可視化、セキュリティの強化、トラフィックの制御などが考えられます。
「Junction」の機能のうち、インスペクション機能は、VPG を通過するパケットを解析し、アプリケーションの判別や、その統計情報のレポーティングを提供します。本機能で取得したパケットの統計情報を利用することで、例えば、IoT デバイスの通信先の可視化や、個人・法人向け通信サービスにおいて主たるアクセス先の分析といった用途での利用が可能です。パケットの統計情報はお客様の指定した宛先に送信することが可能です。
「Junction」のミラーリング機能は、VPG を通過するユーザパケットのコピーを作成して、お客様が指定したサーバーに送信します。本機能は、セキュリティの脅威の早期発見や異常検知において効果を発揮します。IoT システム活用において、セキュリティ対策は課題です。特に、IoT デバイス乗っ取りによる DDoS 攻撃など、加害者になってしまう脅威も存在します。「Junction」のミラーリング機能でミラーリング先としてトラフィック解析により侵入検知や警告を行うエンジンを指定することで、当該 VPG を利用する IoT デバイスをこうした脅威から守ったり、攻撃に加担するリスクを軽減することが可能となります。本ミラーリング機能は、SPS パートナーのソリューションとの連携が可能です。7月5日からは、トレンドマイクロ株式会社が提供するセキュリティVNF(Virtual Network Function)と連携します。お客様は、このソリューションを利用することで、通信トラフィックに潜むセキュリティ脅威の可視化・制御が可能になり、一層安全な IoT サービスを利用することが可能です。
「Junction」のリダイレクション機能を利用すると、VPG を通過するユーザパケットが常にお客様が指定したサーバを経由するように経路を変更して転送することが可能となります。例えばトラフィックを制御するエンジンを経由させることで、ファイル配信やファームウェアダウンロードなどの帯域を絞ってセンサーデータやアラートを優先したり、特定のアプリケーションの通信のみを許可するなど、独自のポリシーに従ったトラフィックの制御が可能となります。
IoT 通信プラットフォーム「SORACOM」は、今後もお客様の IoT 活用が、すぐに、簡易に始められるよう、継続的にサービスを開発し、その機能を拡充していきます。株式会社ソラコムは、世界中のヒトとモノをつなげ共鳴する社会を目指し、「SORACOM」プラットフォームを通じて、IoT 業界の発展に貢献していきます。
透過型トラフィック処理サービス 「SORACOM Junction」
※このサービスはPublic Betaとして、正式にサービス提供開始されており、商用でご利用いただけます。お客様からのフィードバックをもとに、頻繁に機能追加、進化を続けるという意味が込められています。
※VPG=SORACOMのコアネットワーク上のパケット交換機能部(Virtual Private Gateway)
インスペクション機能 ミラーリング機能 リダイレクション機能
・Junction利用料金
基本料金 15円/時間 (10,800円/月相当、1ヶ月=30日換算)
ミラーリング機能、リダイレクション機能、インスペクション機能のいずれかを利用した場合に、VPG の利用料金に追加されます。同時に複数の機能を使用しても基本料金は変わりません。
参考)VPG の利用料金
VPG Type-C:50円/時間 (SORACOM Canal での利用に目的を絞った VPG)
VPG Type-D:300円/時間 (SORACOM Canal/Direct/Door で利用可能な VPG)
・Junctionインスペクション機能利用料金
基本料金 100円/時間
インスペクション機能を利用した場合に、Junction利用料金に加えて課金されます。該当するVPG を使用する SIM は1万枚までになります。
※1万枚以上の SIM でご利用の場合は、別途お問合せ要
サービス詳細・料金体系:https://soracom.jp/services/junction/
トレンドマイクロは弊社が提供する「セキュリティNFV」と、ソラコムの新サービス「SORACOM Junction」の連携開始を歓迎いたします。
「SORACOM Junction」の提供により、さらに、安全、安心な IoT サービスを実現できることを確信しています。トレンドマイクロは、引き続きソラコム様と協業を深め、お客様の IoT 環境に最適なセキュリティソリューションを提供してまいります。
トレンドマイクロ株式会社 取締役副社長 大三川 彰彦様
我々は、MVNOのためのエッジコンピューティングは今後進化するべき方向性であると提唱しています。現代のMVNOでは、その仕組みの制限から、MNOにおけるような超低遅延のエッジネットワーク機能実装ができないため、我々は、第五世代モバイルネットワークにおいて、このようなネットワーク機能実装も含めた新しいMVNOのあり方を研究しています。
今回のSORACOMとの共同研究において、「SORACOM Junction」というサービスをプライベートβ段階から利用しました。特に、契約したデータ通信のトラフィック解析やエッジコンピューティングといった、網内機械学習の実装において、「Junction」は重要な役割を果たすインフラの技術と考えています。
東京大学大学院 情報学環 教授 中尾 彰宏 様
株式会社ソラコム様の「SORACOM Junction」の提供を心より歓迎します。IoTデバイスが普及するにつれ、そのネットワークトラフィックのリアルタイムでの可視化・分析は喫緊の課題であり、Elasticが提供するElastic Stackがその解決策になることを確信しています。また、当社が運用するElasticsearchとKibanaのマネージドサービスであるElastic Cloudを用いると、Virtual Private Gatewayのメトリックを、今すぐ可視化・分析したいというお客様のご要望にお応えすることができます。今後もIoT市場発展のため、強固なパートナーシップを通じて貢献してまいります。
Jeff Yoshimura, VP of Worldwide Marketing, Elastic Inc.
■本件に関するお問い合わせ
株式会社ソラコム 広報担当/田渕
E-mail:pr@soracom.jp