プレスリリース

PRESS RELEASE

SORACOM IoT SIMにおいて、「サブスクリプション コンテナ」提供開始

〜1枚のSIMに複数のデータ通信契約を追加できる大幅機能アップデート〜

株式会社ソラコム(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長 玉川憲、https://soracom.jp/、以下ソラコム)は、SORACOM IoT SIMが1枚のSIMに、世界各地域の最適なデータ通信(サブスクリプション*1 )を複数追加し、利用できるようにする「サブスクリプション コンテナ」機能の提供を開始します。

これまでグローバルに展開する製品では、IoTを活用したデバイスを製造する際、各国・地域の通信キャリアとの個別契約や、各通信キャリアごとの設定に対応するためのシステムカスタマイズが必要でした。ソラコムはこの問題に早くから注目し、ソラコムとの契約のみで、1枚のSIMで140以上の国と地域でグローバルにつながるSORACOM IoT SIMを提供することで、グローバルにビジネス展開する製品やサービスでご利用いただいています。

グローバルにつながる製品・サービスは日々増えています。その中で、利用する国によって接続する現地の通信回線契約を後から柔軟に変更したいというケースが出てきています。例えば、利用する国に合わせたリーズナブルな通信契約や、あるエリアの接続に特化した通信契約に切り替えたいというケース、新しい通信規格を利用したいケースにおいては、これまではSIMの物理的な交換を必要としていました。

この度提供開始する、SORACOM IoT SIMの「サブスクリプションコンテナ」は、1枚のカード型SIMもしくはチップ型SIMに複数の通信契約(サブスクリプション:回線契約情報)を追加し、エリアに応じて最適な料金の通信契約を利用することができる機能です。

お客様は、SORACOM IoT SIMに、特定の国や地域により最適化したサブスクリプションを追加することで、当該地域においてよりリーズナブルなデータ通信料金で利用したり、これまで対応していなかった通信キャリアのネットワークを利用したりすることができるようになります。

SORACOM IoT SIMには、複数のサブスクリプションを管理するためのサブスクリプションコンテナエンジンがあらかじめ搭載されています。SORACOM IoT SIMに対して、SORACOMのユーザコンソールまたはAPIで操作を行うと、Over The Air(OTA)*2でSIM内にサブスクリプションが追加されます。

SIMの差し替えや、デバイス側の設定変更は不要です。サブスクリプションが追加されたSIMでは、ご利用する国と地域に応じて、自動的に最適なサブスクリプションをSIM上のソフトウェアが自動的に選択して通信を行います。


なお、既に提供しているSORACOM IoT SIMでも、特別な設定変更を行うことなく本機能をご利用いただくことが可能です。お客様はSORACOMユーザーコンソールからの操作により、1回線単位で本機能をご利用いただけます。 本機能を利用し、複数のサブスクリプションが格納されたSIMをご利用時にも、クラウド連携やセキュリティオプションなどのSORACOMプラットフォームのサービスは、これまでと同様に利用することができます。

本日より追加可能なサブスクリプションとして、アジア・パシフィックエリアに最適化されたplanP1, 日本でよりリーズナブルにご利用いただけるplanX1 をご利用いただけます。*3 今後も各地の通信キャリアとのパートナーシップを拡充し、段階的に利用可能なサブスクリプションを追加していきます。

ソラコムは、お客様のニーズに応え、テクノロジーイノベーションによりIoTを使いやすくご提供し、最新技術のビジネス活用に貢献していきます。

*1 サブスクリプションは、plan01s, planP1などの回線契約情報を指し、回線契約毎につながるエリアやデータ通信料金が設定されています。SORACOM IoT SIMでは、1枚のSIMに複数のサブスクリプションを格納し、SIM内のサブスクリプションコンテナエンジンが、滞在国や地域に応じて利用するサブスクリプションを自動的に最適なものに切り替えます。

*2 OTAは、セルラー通信経由で遠隔からSIMの設定をセキュアに書き換える技術です。OTAを利用するには、OTAの動作確認済みモジュールをご利用いただく必要があります。は[別紙 動作確認済みOTA対応モジュール]をご確認ください。

*3 planP1、planX1の利用可能エリアとデータ通信料金については、別プレスリリースをご確認ください。

<本サービスをご利用いただくお客様企業からのエンドースメント>

ソースネクスト株式会社
ソースネクストのAI通訳機「ポケトーク」は、SORACOM IoT SIMのeSIMを組み込んだことで、通信の初期設定をせずに世界133の国と地域ですぐ使い始められる製品になっています。通訳に特化した専用機器の使いやすさから、多くのお客様にご利用頂いています。
当社では、2019年から先んじて「サブスクリプションコンテナ」機能を検証し、実利用を踏まえてソラコム様にフィードバックしてきました。現在の最新機種「ポケトークS」シリーズでは、この機能を活用しております。
「サブスクリプションコンテナ」機能は、ポケトークのように海外の様々な場所で利用される製品にとって、大きな可能性を与える機能です。
ポケトークが世界中で「言葉の壁をなくす」を実現するために、今後も ソラコム様によるサービスの進化とともに、お客様により身近なものとしてお使いいただける通訳機をお届けしてまいります。

ソースネクスト株式会社
技術戦略室 執行役員
川竹 一様

SORACOM IoT SIMの「サブスクリプションコンテナ」機能概要

1. 提供開始日
2020年7月14日

2. サブスクリプション追加に必要な料金
1サブスクリプション追加あたり、別途以下の料金が発生します。
サブスクリプション追加費用: 3 USD /1サブスクリプションあたり
サブスクリプション利用料金: 1.8 USD / 1ヶ月あたり

3. SORACOM IoT SIMに追加可能なサブスクリプション
planP1:アジア・パシフィックの20の国と地域において最適化されたサブスクリプション
planX1:日本国内でKDDI LTE回線に対応したサブスクリプション
詳細は別リリースをご確認ください。

4. 主なご利用例
グローバルに製品を出荷する企業が、グローバル共通のeSIMを組み込んだIoTデバイスや製品を海外で製造し、出荷先によって最も最適なサブスクリプションを追加し、切り替える事ができます。アジア向け製品にはplanP1、日本向け製品にはplanX1を追加して利用する事ができます。
国際ローミングに関する法令・事業者規制(パーマネントローミング)対応として、IoTデバイスや製品に使うSIMを差し替えることなく、当該国キャリアの回線契約情報を使用したい。

5. ご利用開始方法
plan01sを利用するSORACOM IoT SIMをお持ちの方は、ユーザーコンソールまたはAPIからサブスクリプションを追加することができます。

SORACOMユーザーコンソールからSIMを選択し「サブスクリプションの追加」を実行
当操作を実行後、対象のSIMがオンラインになった際にOTAが実行され、サブスクリプションが追加されます。

SIM ID:ソラコムが管理するSIM1枚ごとに割り振られた番号
IMSI(International Mobile Subscriber Identity):加入者識別番号

注意事項:
SORACOMユーザーコンソールの「グローバル」カバレッジの画面から操作することができます。
サブスクリプションを追加した場合、上記の通り追加費用と1ヶ月あたりの基本料金が追加になります。
サブスクリプションを追加した場合、追加したサブスクリプションを削除することはできません。
SIMを設定しているデバイスが、OTA対応製品であること、および利用国で利用可能であること、利用するキャリアの周波数帯に対応していることを事前にご確認ください。

6. ウェブサイト
URL :https://soracom.jp/services/air/cellular/


[別紙] 動作確認済みOTA対応モジュール

「サブスクリプションコンテナ」機能は、OTA対応製品でご利用いただけます。

ソラコムのユーザーコンソールで提供しているリファレンスデバイスのうち、動作検証済みOTA対応モジュール、ドングルは以下のとおりです。

<Module>

  •    Quectel EC21-J:plan01s / planX1 / planP1に全対応
  •    Quectel UG96:plan01s / planP1に対応

<Dongle>

  •    GreenHouse GH-UDG-MCLTEC:plan01s / planX1 に対応
  •    Huawei MS2372-607:plan01s / planP1に対応

技術要件詳細は、以下のウェブサイトをご参照ください。https://dev.soracom.io/jp/air_cellular/subscription-container

なお、日本国内で通信を行う場合、利用するデバイスが、利用するサブスクリプションに対応した各キャリアの周波数帯に対応していて、かつ技術基準適合証明等(技適)を受けていることをご確認ください。

日本国外で通信を行う場合、利用するサブスクリプションに対応した現地キャリアの周波数帯に対応しており、かつ現地での通信に必要な機器認証を受けていることをご確認ください。

 

<本ニュースに関するお問い合わせ>
株式会社ソラコム 広報 田渕
pr@soracom.jp

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